2024/10/31 07:11

ジオラマや模型制作において、樹木のリアルさは作品全体の完成度に大きく影響します。本記事では、樹木模型の作り方と、その仕上がりをさらに高めるためのポイントを解説します。


1. 木や針金を使った樹木模型の作り方

木や針金で樹木模型を作る方法は、手作りで自由に形を調整できるのが特徴です。具体的には以下の手順で作ります。


  1. 幹と枝を作る
    細い針金を束ねて幹と枝を作り、粘土で樹皮の質感を整えます。枝ぶりや幹の形状を調整し、リアルな曲線を表現します。末端の枝の表現においては、ドライフラワーを砕いて接着する方法も有効です。針金は電線の被膜を剥いでねじったり、建築模型用に固定された商品もあります。ジオラマ用の既製品も存在します。

  2. 塗装する
    アクリル絵の具やエアブラシで幹や枝を塗装します。この時、ねじった針金を塗料で覆い隠すことで、リアルな仕上がりになります。

  3. 葉を付ける
    予算と作りたいものに応じて、プランツシートやコースターフ、フォーリッジ、模型用パウダー等を接着剤で接着します。必要に応じてアクリル絵の具やエアブラシで塗装することで、単色ではないよりリアルな仕上がりにします。


この方法は、製作に時間がかかり、手作業で精密な造形を施すためのスキルも求められますが、完成度の高い樹木模型を手作業で作り上げることができます。


2. 3Dプリンターで出力した樹木模型を使った作り方

3Dプリンターで出力した樹木模型を使用すると、複雑な枝や細かいテクスチャが既に整った状態で作れるので、簡単にリアルな模型を作ることができます。


  1. 3Dプリンターで樹木モデルを出力
    樹木の種類や形状を事前にデータで作成しておき、プリンターで高精度な枝や幹、樹皮の表現が可能です。当社ではこの状態(または塗装後の状態)のものを販売しています。

  2. 塗装で仕上げる
    3Dプリンター出力後は、好みの色でペイントします。樹皮の質感がリアルに再現されているため、エアブラシで表面の質感を残して塗装するのがポイントです。

  3. 必要に応じて葉を追加する
    針金で作る場合と同様、予算と作りたいものに応じて、プランツシートやコースターフ、フォーリッジ、模型用パウダー等を接着剤で接着します。必要に応じてアクリル絵の具やエアブラシで塗装することで、単色ではないよりリアルな仕上がりにします。

この方法は手作業の必要が少なく、特に針葉樹や複雑な樹形を持つ樹木の制作には最適で、初心者でも簡単にリアルな樹木を作成できます。


他にもさまざまな方法で樹木模型を作ることができます。以下にいくつかの具体的な方法と特徴を紹介します。


3. 自然素材を使った方法

自然の材料(シーグラスや根など)を使用することで、リアルな質感を持つ樹木を再現できます。シーグラスは小さな葉や茂みの表現に優れ、根を使えば樹木の幹や枝に自然な曲線と表面のディテールを出せます。この方法は低コストで、大量に準備しやすいのが特徴です​。


4. フォリッジだけを使った方法

枝(針金)を用いず、スポンジ状で緑に塗装されたフォリッジを使って葉や茂みを再現します。特に広葉樹のように葉が密集する樹木に向いており、自然なボリューム感を演出できます。枝は見えませんが、茂った林の表現には適しています。


5.麻繊維での簡易樹木

シサルファイバー(麻繊維)は、スプルースやパインなど針葉樹を素早く作成するために使用される素材です。専用のジグを使って幹と枝の形を整え、葉の部分を再現するのに適しています。この方法は手軽で量産に向いており、細かい葉のディテールが不要な場合におすすめです​。


いかがでしょうか?使い分けのポイントは、予算とリアルさのバランスをとることです。それぞれでどのような再現ができるかをイメージした上で検討してみてください。場所によって、山のような大量の樹木が必要になる部分は(特に中央部分は)安価な方法で、目立つ木はこだわる、といった使い分けをすることも有効だと思います。本ブログ記事が皆様のジオラマ製作の一助になれば幸いです。